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ビジネス法務2003年9月号(中央経済社)22頁
 この法律はどのような影響を与えるか?

「個人情報保護法の意義と限界」【対談】


目 次

謝 辞
 これは、2003年6月、個人情報保護法成立の直後に夏井先生と対談したときの原稿です。
 本ウェブサイトへの掲載をご快諾下さいました中央経済社「ビジネス法務」編集部のみなさま、及び夏井高人先生には厚く御礼申し上げます。






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夏井 高人

明治大学法学部教授・弁護士
(現在:明治大学法科大学院 教授・弁護士)
鈴木 正朝

ニフティ株式会社 法務部
(現在:新潟大学法科大学院 教授)


「個人情報」は誰のものか?

鈴木 本日は,先般成立した「個人情報の保護に関する法律」について,特に民間部門の一般法としての個人情報保護法を念頭において,夏井先生からいろいろお話しをお伺いしたいと思います。よろしくお願い致します。
 まず,はじめに「個人情報は誰のものか」という問題を提起したいと思うのですが,そもそも人間関係は情報の伝達,コミュニケーションで成り立っているわ けですし,情報が人間の営みの中で生成されているという意味では,情報はすべて個人情報性を秘めているともいえるのではないかと考えます。そうした情報を 「誰のものか」といった発想で捉えること自体が,実は間違っているのではないかという意見もあろうかと思います。私は,個人情報には本人のものであると法 的に構成し得るものもあれば,帰属性を論じること自体なじまないものもあると思っています。


ある意味で個人情報という概念は,それほど茫漠とした広い概念ではないかという感じがします。従って,個人情報は本人のものであるという基本哲学に根ざした アプローチは,現実問題としてはかなり副作用が大きく問題があると思っているのですが,そのあたり,先生はどうお考えになりますか。

夏井 個人情報が本人のものであるとはいえないような場合もあると思いますね。
 一般に個人情報がどのようにして生成されるかというと,本人以外の人によって生成さることもしばしばあります。例えば,「夏井高人は明治大学の教授であ る」という個人情報があるとしますと,私は生まれたときから明治大学の教授だったのではありません。この個人情報は,私が明治大学に所属したことによっ て,明治大学において生成されたものです。




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