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例えば住基ネットの例で言うと,全部住基ネットに取り込むというような法律は違憲,選択制であれば合憲という感じです。私は極端な主張をするつもりはなく
て,今後,勝手にデジタル化するのだけはやめてくれという程度で言っているのですけどね。詳細についてはまた別の機会にしたいと思います(笑)。
鈴木 なにごとも普及するか否かにネーミングの果たす役割は意外と重要で,「自己情報コントロール権」というのは,まさにネーミングにおいても成功した事例の一つではないかと思います。この言葉から各人がいろいろインスパイアされるものがありますから。
「デジタル化されずに放っておいてもらう権利」も,これは1度聞くと忘れられないかなりのインパクトがあって(笑),もちろん名前がおもしろいというだけではなくて,やはり,ここからいろいろなことが連想され,啓発されるところがあります。
したがって,先生の思いとは別に,受け取る側が自分なりに,これをヒントにいろいろ構想しはじめるという面があるような気がします。その意味でもこれは
非常に可能性を秘めているのではないかと思うのです。自己情報コントロール権が実は意外と多義性を帯びているというか,拡張されて理解されているという
か,これと同じことが「デジタル化されない権利」にも起きるのではないかと思うわけです。
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鈴木
自己情報コントロール権は,「プライバシーの権利」という憲法や不法行為法等の民事法における議論であると思いますが,行政法である個人情報保護法制の問
題と混同して整理されずに議論されることも多いように感じました。実際,報道でも国会の議論でも頻繁にプライバシーの保護という言葉が無自覚的に使われて
いたように思います。
そもそも個人情報保護法は,プライバシーを保護するための法律ということがいえるのでしょうか。
夏井
個人情報保護法はプライバシーを保護するための法律ではないと思います。これはあくまでも個人情報を取扱う事業者を取り締まるための業法であり,行政法に
属するいわゆる業法の一つにすぎません。要するに,立法者が情報取扱産業という業界があるとみなして,そこに行政庁がうまく関与をできるような仕組みをつ
くったということだろうと思います。
鈴木
私は,実のところ個人情報保護法の真の法目的がよくわからずにいます。例えばプライバシーの保護のためということを言うと,個人のたった1人の情報が漏れ
ても,行政庁が関与してもいいということになるのですけれども,事業者の大量に保有する個人データの適正な取扱い方について規律することが真の法目的だと
いうことになれば,社会的にあまり影響のない問題についてまで行政庁は関与すべきではないということになります。
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